CakePHP
CakePHP Security コンポーネントのまとめ
1CakePHP の Security コンポーネント の動作を調べたのでまとめておきます。
この Security コンポーネントをうまく使用すればクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF) を防ぐことができるでしょう。
トークンの使用
フォームにワンタイムトークンを実装する方法です。
コントローラの beforeFilter メソッドでトークンをチェックするアクションを指定
function beforeFilter() { $this->Security->requireAuth('login'); }
ビューのフォーム内にトークンを設定
<?php echo $html->formTag(); ?>
トークンが hidden 属性で生成される
トークンが一致しない場合
requireAuth で指定したアクションに POST でアクセスがあるとセションに保存したトークンとフォームから送られてきたトークンが一致するかチェックします。またそのほかにトークンの有効期間もチェックします。有効期間は CAKE_SECURITY の設定により違います。
CAKE_SECURITY | 有効期間 |
---|---|
high | 10分 |
medium | 100分 |
low | 300分 |
トークンが一致しないと SecurityComponent の blackHole メソッドが実行されます。このメソッドでは
header('HTTP/1.0 404 Not Found');
を出力して exit します。(画面は空白)
任意の処理を実行したい場合は blackHoleCallback でコールバック関数を指定します。
設定できるのは同じコントローラ内のアクションのみになります。
function beforeFilter() { $this->Security->blackHoleCallback = "securityError"; $this->Security->requireAuth('login'); } function securityError() { die("security error!"); }
トークンチェックをするアクションを複数指定するときはカンマでつなげる
$this->requireAuth('login', 'delete');
特定のコントローラからのポストのみ許可する
$this->Security->allowedControllers = array("users");
これを指定するとたとえトークンが一致しても許可のないコントローラからのポストの場合は blackHole メソッドを実行します。
特定のアクションからのポストのみ許可する
$this->Security->allowedActions = array("action");
これを指定するとトークンが一致しても許可のないアクションからのポストの場合は blackHole メソッドを実行します。
ポストのみ受け付けるようにする
$this->requirePost('login');
これはトークンとは違い、POST のみ許可して GET でのアクセスを不可にします。
/users/login/ のような URL でのアクセスも GET なので不可になります。
POST の処理だけを実行したいようなアクションに使用します。
CakePHP Textヘルパーの truncate を全角文字に対応させてみた
5CakePHP の Text ヘルパーに truncate という指定された文字列を任意の長さに省略するメソッドがあります。
しかし、このメソッドは全角文字を考慮していないため全角文字に用いると文字化けすることがあります。
そこでこのメソッドを全角文字に対応させてみました。
function truncate($text, $length, $ending = '…', $exact = true) { if (strlen($text) < = $length) { return $text; } else { mb_internal_encoding("UTF-8"); if (mb_strlen($text) > $length) { $length -= mb_strlen($ending); if (!$exact) { $text = preg_replace('/\s+?(\S+)?$/', '', mb_substr($text, 0, $length+1)); } return mb_substr($text, 0, $length).$ending; } else { return $text; } } }
直接 Text ヘルパーを修正するとバージョンアップなどのときに困るので、
cake/libs/view/helpers/text.php を app/views/helpers/mb_text.php にコピーしクラス名を
class MbTextHelper extends Helper{
として、truncate メソッドを上記のように修正しました。
使用するときはコントローラ内で、
var $helpers = array("MbText");
view で
echo $mbText->truncate("あいうえおかきくけこ", 5, "…", true);
とすると
あいうえ…
と表示されます。
CakePHP find や findAll の条件指定にちょっとだけ便利な postConditions
1CakePHP の コントローラに postConditions というちょっとだけ便利なメソッドがありました。
cake/libs/controllers.php
function postConditions($data) { if (!is_array($data) || empty($data)) { return null; } $conditions = array(); foreach($data as $model => $fields) { foreach($fields as $field => $value) { $conditions[$model . '.' . $field] = $value; } } return $conditions; }
例えば検索をするフォームなどで User.name で検索するような場合
view で
input('User/name');
と指定すると$this->data は
Array ( [User] => Array ( [name] => 山田 ) )
この $this->data を postConditions に渡すと
$data = $this->postConditions($this->data);
$data は
Array ( [User.name] => 山田 )
となり、このまま find や findAll に渡すことができます。
$this->User->find($data);
参考:CakePHP マニュアル
7.2. コントローラの関数
CakePHP 環境によってデータベースを切り替える
2テストデータを入れるなどテストと環境でデータベースを切り替えたいときがあります。
CakePHP でそれをやる方法です。
モデルの $useDbConfig に app/config/database.php で定義されている $default がデフォルトで使用されます。
database.php に $test など使用したいデータベースの分だけ定義を増やし、
それをモデルで
$this->useDbConfig = 'test';
のように指定すればいいだけです。
app/app_model.php のコンストラクタで設定するのが一番簡単かもしれません。
CakePHP 環境に応じてDBの設定を変える | Shin x blog
で色々な方法が紹介されています。
“CakePHPで超簡単スケーラビリティ” フォーラム – CakePHP Users in Japan
また、この $useDbConfig を使用して
「マスターとスレーブのMYSQLサーバがあります。レプリケーション機能で、マスターからスレーブにデータが常にコピーされています。データの更新・追加はマスターに対して行い、データの検索はスレーブで、という場合にはどうすればよいでしょうか?」
というような場合のすごく簡単な方法が紹介されています。
モデルの beforeSave,afterSave,beforeDelete,afterDelete を使用してマスターとスレーブを切り替えています。
CakePHP MySQL で文字化けを防ぐ設定
4MySQL で文字化けを防ぐためには
SET NAMES utf8
のように SET NAMES を実行するのが有効なのですが、これを app/config/database.php で設定する方法です。
'encoding'=>'文字コード'
をデータベースの設定項目に追加してやるだけです。
具体的には app/config/database.php が下記のようになります。
var $default = array( 'driver' => 'mysql', 'connect' => 'mysql_connect', 'host' => 'localhost', 'login' => 'user', 'password' => 'password', 'database' => 'dbname', 'prefix' => '', 'encoding' => 'utf8' );
cake/libs/model/dbo/dbo_mysql.php で下記のように実行されています。
function connect() { (略) if (isset($config['encoding']) && !empty($config['encoding'])) { $this->setEncoding($config['encoding']); } return $this->connected; }
function setEncoding($enc) { return $this->_execute('SET NAMES ' . $enc) != false; }
CakePHP モデルの validation の拡張 同じ項目で違うメッセージを出す
1CakePHP のモデルの validation の拡張のメモの続きです。
同じフォームの項目で違うエラーメッセージを出したいときがあります。
例えばユーザ登録フォームでユーザID がフォーマットエラーなのか、既に使用されているのかなどです。
models/users.php
var $validate = array( 'loginid' => '/^[0-9a-zA-Z]{8}$/', ); function validates($data=array()) { if(empty($data)) { $data = $this->data; } parent::validates($data); // loginid のユニークチェック if ($this->findByLoginid($data["User"]["loginid"])) { $this->invalidate("loginid_unique"); } if (count($this->validationErrors)>0) { return false; } else { return true; } }
既にloginid が登録済みの場合は
$this->invalidate('loginid_unique');
としています。
invalidate に指定するのは実際に存在しないものでも大丈夫なのでそれを使用して view でエラーメッセージを分けて表示します。
views/users/regist.thtml
ID:< ?php echo $html->password('User/loginid'); ?> < ?php echo $html->tagErrorMsg("User/loginid", "IDは英数字8文字で入力してください"); ?> < ?php echo $html->tagErrorMsg("User/loginid_unique", "IDは既に使用されています。他のID を指定してください"); ?>
CakePHP モデルの validation の拡張
1CakePHP のモデルの validation の拡張のメモです。
ユーザ登録フォームなどでパスワードの再確認のバリデーションを行うときの方法です。
views/users/regist.thtml
パスワード:< ?php echo $html->password('User/password'); ?> 確認用パスワード:< ?php echo $html->password('User/password2'); ?> < ?php echo $html->tagErrorMsg('User/password2', 'パスワードが一致しません');
※users テーブルにpassword2 のカラムはなくてかまいません。
models/users.php
function validates($data=array()) { if(empty($data)) { $data = $this->data; } parent::validates($data); if ($data["User"]["password"]!==$data["User"]["password2"]) { $this->invalidate("password2"); } if (count($this->validationErrors)>0) { return false; } else { return true; } }
AppModel クラスの validation メソッドも実行する必要があるので、必ず
parent::validates($data);
を書かないといけません。
CakePHP ログ出力
2CakePHP でログ出力させるメモです。
$this->log(ログに出力するメッセージ, ログ種別);
出力するメッセージは文字列でも配列でもかまいません。配列の場合は print_r されたものが出力されます。
ログの種別は LOG_DEBUG で debug.log 、 LOG_ERROR で error.log に出力されます。デフォルトは LOG_ERROR です。
ログファイルは LOGS で指定されたディレクトリへ出力されます。
デフォルトは /app/tmp/logs です。
ただこの定数 LOGS は cake/config/paths.php で指定されているので、app/config/core.php で定義されている定数のように気軽に変更しない方がいいかもしれません。
ログファイルが存在しない場合はファイルを作成してくれます。
出力されるログは下記のようになります。
2007-11-11 06:54:54 Error: メッセージ
LOG_DEBUG を指定するとログの “Error” の部分が “Debug” になります。
この log メソッドは Object クラスにあります。Object クラスは CakePHP の全てのクラスで継承されるクラスなので、コントローラ、モデル、ビューどこからでも $this->log() でログに出力させることができます。
CakePHP findBy での複数指定を調べたメモ
2先のエントリで書いた「CakePHP findBy で複数条件の指定で OR も指定可能」ですが、findByHogeAndFoo などの処理がどうなっているか気になったので調べたときのメモです。
- findByHogeAndFoo メソッドが実行されると model_php5.php ( Model クラス ) の __call メソッドが実行される
- __call メソッドでは DboSource クラスの query メソッドに findByHogeAndFoo のメソッド名と条件の値を渡す
- DboSource クラスの query メソッドでは、findBy または、findAllBy の後ろの文字列を取り出す
- 取り出した文字列を小文字に変換してさらに AND を _and_、OR を _or_ に変換する
- _or_ または _and_ で分割してフィールドを取り出す
- AND または OR にしたがって SQL の条件を組み立てる
というようなこと処理がされていました。
まとめると
- 複数指定はいくつでも可能
- AND または OR は混在して指定はできない
いくつでも指定はできるようですが、たくさんの条件をこれで指定するとソースの可読性が下がりそうですし、AND と OR が混在できないので普通はそんな指定はしないでしょう。
指定する場合は2つくらいにとどめておいて、それより多くなる場合は find の $conditions で指定した方が無難だと思います。
CakePHP findBy で複数条件の指定で OR も指定可能
2[cakephp]findByで複数条件の指定 | blog.hereticsintheworld
で紹介されていた
$this->Model->findByIdAndName( $id, $name )
が気になりソースを調べてみたところ OR も指定可能でした。
$this->Model->findByIdOrName( $id, $name )
ちなみに findAll でも同様に指定可能です。